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BY.INUKOU YUTSUKA


「青学テニス部集合!」

竜崎コーチの一声で、青学レギュラー陣の面々が揃った。コーチの隣では乾が何やら籤を持って立っている。今日の練習の組み合わせでも決めるのかと、メンバー一同はざわついた。

「皆、青学が毎年参加している、町内会のお祭りが、今年は来週の日曜日に開催される。今から出し物と、その組み合わせを決めるよ。」

コーチがそう言うと、その後を乾が引き継いだ。

「ここに、出し物を書いたアミダ籤があるから、適当に名前を埋めてくれ。出し物は、たこ焼き屋・金魚掬い・綿菓子屋・焼きソバ屋になってるから。」

乾の言葉に皆がそれぞれに騒ぎ出す。

「もうそんな時期かー。」

と大石。

「大石―。又一緒にやりたいなあ。俺ここに書くから。離して書いてよね。」

菊丸はそう言いながら一番に名前を書いた。

「こんなの毎年やってるんすか?」

リョーマの問いかけに桃城は嬉しそうに答える。

「そうそう。俺は去年に焼きソバ屋をタカさんとやってさあ。むちゃくちゃ楽しいぞ。」

リョーマが名前を書くのを見てから、心成しか桃城は離して名前を書き込んだ。

「俺は最後で・・・」

そういいかけた手塚を、

「君が書かないと、僕が書けないんだから、早くしてね。」

と不二がいつもの微笑で促した。

「ちっ」

海堂はさも面倒くさそうに名前を書いた。

「今年も大変そうだなあ。」

タカさんは皆に聞こえないようにぼそりと呟きながら、一番端に名前を書いて

最後に乾が名前を書いて籤は九つ全て埋まった。

 九人はドキドキしながら自分達のアミダを辿って行った。

その組み合わせは・・・

 綿菓子が大石・菊丸ペア、たこ焼きが手塚・不二ペア、焼きソバに

乾・高村ペア、そして金魚掬いに越前・桃城・海堂の組み合わせになった。

 メンバーが決まった後に、乾が言葉を付け足した。

「そうそう、今年から、一番の売上を出したチームには賞品が出ることになったんだけど、

賞品は、チームで温泉旅行御招待だから」

その言葉に菊丸、桃城が反応する。菊丸は大石との旅行を、そして桃はリョーマとの温泉を想像して嬉しそうにくるくる回っていた。

裏細工されていそうな組み合わせだが、このメンバーで来週のお祭りが始まる・・・。

 

 

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「祭り」第一弾です。この話を作るきっかけが本当に、商店街のお祭りで、そこで金魚すくいをして、もらった金魚の水が少ないとぼやいていた少女からだとは誰も思いつかないでしょう。当初は私が書くなんて夢にも思わず、好き勝手に言ってたら、最後「じゃあ、それでお願いね。」とさらりと言われて、そこから長い始まりとなるのです・・・。            (湯塚 犬公)

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